DESIGN LOGIC
わたして終わりじゃない 「営業で活躍するノベルティ」を戦略的に制作する3つのポイント
May 2, 2026
ノベルティは、自社の個性やブランドを表現できる貴重なアイテムのひとつです。配布することで、人の代わりに企業のPRを担ってくれます。一方で、ノベルティ制作の目的や配布するターゲット層を掘り下げ、適したアイテムを制作しなければ、期待した効果を得られない可能性もあります。
時間やコストを費やす以上、ノベルティ制作の本質や目的を正しく知っておく必要があります。本記事では、ノベルティの目的や販促品との違い、さらには企業のファンを増やすために欠かせない「戦略的なアイテム選び」のポイントについて詳しく紹介します。
ノベルティと販促品の違い
ノベルティの役割の話をする前に、混同されがちな「ノベルティと販促品の違い」について説明します。双方とも「集客や売上の増加へ繋げる」という役割は一致していますが、配布の目的が異なります。
ノベルティはアイテム単体でも使える「主役」にもなりえるのに対し、販促品は商品の販売を促すための「引き立て役」というイメージです。

ノベルティとは、企業やブランドの認知や周知に重きを置いたアイテムのことです。企業名やロゴを入れたものが一般的で、企業のサービス利用や商品購入につなげることを目的としています。例としては、卓上カレンダーやマグカップなど日常的に使ってもらえるものが多いです。
一方で、販促品はその名の通り商品の販売を促進するために作られるアイテムを指します。例としては、書籍に付属する帯やしおり、タンブラーに付けるカップスリーブなどが挙げられ、商品に付属することが多いです。


制作するメリット・デメリット
ノベルティ制作によるメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
・企業の認知度向上
・ブランドイメージの向上
・集客の増加
・中長期的な関係性の構築
デメリット
・社内リソースの確保
・制作・製造コストがかかる
・効果測定の不明確さ
メリット
メリット企業の認知度向上
企業認知の向上は、ノベルティ制作の最大の目的のひとつです。ノベルティには企業名やロゴがデザインされているため、使用されるたびにそれらが目に入ります。
広告のような強いインパクトを与えるわけではありませんが、目にする機会を積み重ねていくことで、企業の認知向上につながります。
ブランドイメージの向上
ノベルティは、日常的に使用されるものを配布するのが一般的です。文房具やタンブラー、バッグなどの「毎日使うもの」を贈ることで、自然と接触機会が増え、イメージアップに繋がります。また、環境に配慮した素材を選ぶことも重要です。
環境負荷の少ないアイテム作りは、SDGsやCSRに取り組む姿勢をアピールする強力なメッセージになります。
集客の増加
ノベルティは、集客に効果的な手段としても知られています。店舗やイベント会場、展示会で新規顧客を呼び込む際に渡すアイテムとして適しています。
オリジナリティのあるノベルティは希少性を生じさせることもあり、新たな顧客層の獲得やファンづくりにも有効な手段のひとつです。
中長期的な関係性の構築
ノベルティを配布することで企業の認知度を向上させれば、顧客に思い出してもらえる回数を増やすことができます。認知度が上がれば「知っている企業だから安心」と売上向上につながる可能性が高まります。
ノベルティの配布は、中長期的に顧客との接点を増やすことができる点もメリットのひとつです。
デメリット
社内リソースの確保
明確な目的のもとに制作するノベルティは、完成までにはさまざまなプロセスが必要になります。予算策定からアイテム選定まで多くの段階があり、コスト以外にも時間や人も必要になります。
自社にデザイナーがいない場合はデザイン制作を外注することになるため、打ち合わせや制作、修正などのやりとりを外部と行うことになります。
制作・製造コストがかかる
クオリティにこだわるほどコストがかかってしまうため、制作コストも重要な問題です。広告宣伝費の予算と照らし合わせた上で、ノベルティを制作しましょう。
また、ノベルティ配布によって期待される利益を考慮することも大切です。アイテムにもよりますが100個以下の小ロットの製造では、単価が高くなってしまう場合が多いです。追加製造が必要にならないように、予め正確な必要個数を決めておきましょう。
原価が高いアイテムほど効果が上がるというわけではありません。安価なものでも、そこに取り入れるデザインやアイデアひとつで魅力的なものとなり、喜ばれ効果を発揮します。
効果測定の不明確さ
「ノベルティ配布によって期待される利益」と前述しましたが、その効果測定の困難さもデメリットのひとつです。Web広告などはデータが残るため費用対効果の算出が容易ですが、ノベルティはそうはいきません。
計測の方法としてQRコードを掲載するなどもありますが、事前にデザインに組み込む必要があるため、その場合は制作段階で忘れずに載せるようにしましょう。
ノベルティ制作に求められる3つのポイント
ここで、戦略的にノベルティを制作する3つのポイントを挙げてみます。
ターゲットに合わせた「最適解」の選定
ノベルティ制作において、期待した効果を最大化するためには、ターゲット層を具体的にイメージすることが欠かせません。ビジネスの場(BtoB)と、一般の生活者(BtoC)では、生活動線が全く異なるからです。
ビジネスシーンが舞台なら、デスクの上で役立つペンやメモ帳といったステーショナリーが好まれます。一方、一般向けであれば、買い物や移動で使えるトートバッグなどが「歩く広告塔」として活躍してくれます。最近では、デザインの力でSNSでの話題化を狙うことも珍しくありません。
どちらの場合も大切なのは、相手の日常にどれだけ「接触機会」を作れるか。ターゲットのライフスタイルを深く想像することで、捨てられない、愛されるノベルティが生まれます。


「もらって嬉しい」から始まるファンづくり
ノベルティ制作で大切なのは、「配ること」ではなく「使い続けてもらうこと」です。どんなに丁寧に配っても、すぐに捨てられてしまっては認知の向上には繋がりません。
そこで重要なのが、受け取る方の気持ちを想像すること。例えばトートバッグやタンブラーなど、日常的に役立つアイテムは喜ばれますが、カレンダーなどは「すでに持っているから」と断られてしまうこともあります。「今、これが欲しい」と思ってもらえるタイミングとデザインを意識しましょう。
また、ロゴの入れ方にも一工夫が必要です。企業の主張が強すぎると、普段使いがしにくくなってしまいます。「使い勝手の良さ」を第一に考え、日常に馴染むさりげないデザインにすることが、長く愛用され、ブランドを思い出してもらう一番の近道です。

長く愛用されることを目指した 自社ノベルティの設計
例えば、私たちが制作したこのタオル。上質な今治タオルの心地よさを優先し、ロゴはあえて最小限の刺繍でシンプルに。生活空間に馴染む「つい手が伸びる一枚」になることで、自然な愛着を育むデザインを目指しました。
また、パッケージにはあえて「紙筒」を採用。開封時の期待感を高めるだけでなく、開封後もデスク周りの小物入れとして再利用したくなるような、モノとしての佇まいと実用性を兼ね備えています。
「安さ」よりも「納得」を届ける品質管理
ノベルティを形にする際、一番頭を悩ませるのがコストとクオリティのバランスではないでしょうか。
低コストで大量に作るのもひとつの方法ですが、あまりに質が低いと「すぐに壊れる」「安っぽい」といったマイナスの印象を抱かせてしまうリスクがあります。大切なのは、企業のイメージを背負うアイテムとして「誇れる品質」を維持することです。
まずは「誰に、何を伝えたいか」という目的に立ち返りましょう。適切な配布数を見極めることは、無駄な在庫を抱えず、劣化によるロスを防ぐことにも繋がります。
無理に安さを追うのではなく、予算のなかで「これなら喜んでもらえる」と確信できるポイントを探ること。それが、長く愛用されるノベルティを生むための第一歩です。

「撮影」という体験をブランドで包む コスト以上に価値を生むクリエイティブの選択
アパレルブランドの周年イベントにて制作した、オリジナルデザインの缶バッジとインスタントカメラ。来場者のコーディネートを撮影して特設サイトで人気投票を行う企画「HOT OR NOT」に合わせ、イベントの体験を補完するノベルティとして企画しました。
オリジナルのカメラ制作は、既製品に比べコストを要する選択ではありましたが、イベントの趣旨である「撮影し、記録する」という体験をブランドの世界観で包み込むためには、欠かせないピースとなりました。
まとめ
ノベルティの目的は認知度の向上ですが、その先にある真のゴールは、顧客との深い信頼関係を築き、売上やファンを増やしていくことです。
近年、安価なものを大量に配布するスタイルから、クオリティやデザイン性を重視するスタイルへとトレンドが変化しています。誰もが質の高いアイテムを制作できるようになった今、他社との差別化は以前よりも難しくなっているのが現状です。
そこで重要になるのが、「感性」に訴えかける力です。
ノベルティは、手に取った瞬間の手触りや、日常に馴染むデザインといった、デジタルでは伝えきれない「アナログな温度感」を持っています。単なる配布物として終わらせるのではなく、貴社と顧客を繋ぐ大切なコミュニケーションツールとして捉え直してみてください。
本記事で紹介したポイントを軸に、トレンドを捉えながら戦略を練ることで、ノベルティは企業の強力な武器になります。ぜひ、あなたの企業やブランドだからこそ届けられる「唯一無二の喜び」を、デザインの力で形にしていきましょう。
「ドットゼロのノベルティ制作」 の舞台裏と実績詳細
「ドットゼロ オリジナルノベルティタオル」 制作の舞台裏と実績詳細
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WRITTEN BY Masaki Takai
ドットゼロ 代表。BEAMSを経て同社を設立。資生堂や星野リゾート、ゴディバ等、数多くのグローバルブランドのブランディングやデザインを請け負うトータルデザインカンパニーを率いる。時代に流されない「人の琴線に触れるクリエイティブ」を追求。本質を突く思考と視座で、企業の良き未来を半歩先からエスコートする。 高井雅己の思考と視座