CULTURE

「デザインを売る」から「ブランドを紡ぐ」へ お客様を半歩先から導き価値を最大化させるプロフェッショナルチームの原点

May 9, 2026

株式会社ドットゼロ 代表取締役の高井雅己です。
今回は、私たちの組織「ドットゼロ」が何を大切にし、どこへ向かおうとしているのか。その根底にある創業ストーリーを紐解いてみたいと思います。

「表現者」としての挫折とバウハウスとの邂逅

私の原点は、大阪の予備校で黒鉛に手を染めた日々にあります。現代美術のアーティストを目指し、東京藝術大学合格を信じて3浪。アンドリュー・ワイエスやエゴン・シーレの個性に衝撃を受け、リアリズムの極致を追い求めました。
しかし、藝大の門は開きませんでした。当時の私にとって、それは人生最大の挫折でした。
その後、桑沢デザイン研究所へ進み、そこで「バウハウス」の思想に出会います。自己表現を追求するアーティストから、機能と美を社会に還元する「デザイナー」へ。挫折は、私を新しい目的地へと導くターニングポイントとなったのです。

「売る立場」と「守る立場」の両輪を知る

2001年、渋谷のデザインプロダクションに入社。そこでは第一線の現場でデザインの技術を磨くと同時に、プロとしてプロジェクトを完遂させるための「チームを動かす力」を徹底的に叩き込まれました。
しかし、一丸となって制作に励む一方で、ある違和感も抱くようになります。「なぜ、デザインを作った本人が直接クライアントに想いを伝えないのか?」。
営業を介した伝言ゲームでは、ブランドの真実がこぼれ落ちてしまう。チームを動かす術を学んだからこそ、クリエイターが直接窓口となり、予算・進行・制作のすべてを自ら担う「アートディレクター集団」こそが理想の形だと確信するようになったのです。それが、後のドットゼロの原点となりました。

その後、ご縁がありアパレルブランド「ビームス」のブランディングを司る部署へ。
前職が「デザインを売る」立場なら、ビームスは「ブランドを守る」立場。多角化するレーベルがビームスらしさを逸脱していないか、ブランド規定をどう運用すべきか。インハウスでの経験は、私にブランディングにおいて不可欠な「俯瞰的な視点」を教えてくれました。

この「守る」視点と、プロダクション時代の「創る」技術。その両輪が響き合い、今の「ブランドを紡ぐ」というドットゼロ独自のスタイルへと昇華されていったのです。

2社目ではビームスのインハウスデザイナーとしてブランディングを学ぶ


「かすかな希望」が不安を上回った瞬間

入社1年目から、心の中には「いつか独立する」という揺るぎない願望がありました。しかし、いざその時を迎えようとすると、独立への不安は巨大でした。毎晩のように自己啓発や起業に関する本を読み漁り、自分と向き合う日々。しかし、ある時、その大きすぎる不安を「かすかな希望」が初めて上回りました。

2009年、古びた勉強机一つから「ドットゼロ」はスタートしました。当時、私が掲げた決意はひとつ。「お客様に寄り添うこと」。
私はよくお客様にこう言いました。「私をあなたのチームのPRだと思ってください」。
単なる発注先ではなく、ブランドの内部に入り込み、共闘し、共に育てる。そのマインドこそが、今のドットゼロの礎となっています。

半歩先からエスコートする「潔い志」

私が経営において今でも最も大切にしているのは、「お客様の半歩先を行く」ことです。
一歩先では遠すぎて、お客様の表情が見えなくなる。半歩先なら、その迷いや悩みを自分事として共有しながら、理想の未来へとエスコートできる。
時には、お客様の判断に「ダメ出し」をする勇気も必要です。それは、その企業やブランドを本気で良くしたいという「気概」があるからこそ。

49歳の野心 トータルデザインの未来へ

会社は恵比寿へと拠点を移し、30名近いスタッフと共に、ブランディングを含め多角的な案件を手掛けるようになりました。目標を達成するたびに、私の夢はアップデートされます。
49歳になった今も、20代に負けない野心を抱いています。日々失敗を恐れず、学び続けるからこそ、いつまでも成長できる。

今の私のビジョンは、ドットゼロを「トータルデザインカンパニー」として、より上質で多層的なクリエイティブを創り出す組織に進化させること。
「半歩先」を歩む私たちの視線の先に、あなたのブランドの未来を重ねていただければ幸いです。

2021年に神楽坂から移転した恵比寿本社



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想いをカタチにする ドットゼロのクリエイター

WRITTEN BY Masaki Takai

ドットゼロ 代表。BEAMSを経て同社を設立。資生堂や星野リゾート、ゴディバ等、数多くのグローバルブランドのブランディングやデザインを請け負うトータルデザインカンパニーを率いる。時代に流されない「人の琴線に触れるクリエイティブ」を追求。本質を突く思考と視座で、企業の良き未来を半歩先からエスコートする。 高井雅己の思考と視座