DESIGN LOGIC

写真は「撮って終わり」ではない ブランドの世界観を完成させるレタッチと合成の融合

Apr 25, 2026

「天地創造」をゴルフブランドに宿す

ラグジュアリーなゴルフアイテムブランド「Resurrection(レザレクション)」のキービジュアル制作において、私たちは「商品とユーザーの運命的な出会い」をテーマに据えました。オリジナルのテキスタイルを纏ったそのプロダクトは、単なる道具を超えた気品を放っています。

商品のモデル名が“自然界の鳥”に由来していることから、私たちは「深い森に舞い降りた神秘的な鳥」に見立てた女性が、ゴルフバッグという宝物に出会う… という幻想的なストーリーを考案。
その構図のインスピレーション源としたのは、ミケランジェロの名画でありシスティーナ礼拝堂の天井画の一部である「アダムの創造」です。指先が触れ合う瞬間に命が宿るような、あの神聖な緊迫感をビジュアルに落とし込むことをご提案しました。

ミケランジェロ・ブオナローティ作 「アダムの創造」


現場の制約をクリエイティブの「種」に変える

しかし、理想を形にするには現実的な壁がありました。撮影時期は真冬。枯れ木の目立つ実際の森林でのロケは、ブランドが求める「生命力溢れる幻想的な空気感」を損なう恐れがありました。
そこで私たちは、あえてスタジオ撮影を選択。大判の森が描かれたバック紙をベースに、モデルとバッグをそれぞれ最適なライティングで別々に撮影し、後に統合する手法を採りました。

モデルの浮遊感を演出するため、現場ではブロワーを駆使して髪や衣服のなびきを緻密にコントロール。この段階ではまだバラバラの「素材」に過ぎませんが、ここからがアートディレクターとレタッチャーの腕の見せ所です。窓口から制作の細部までを熟知するアートディレクターが自らレタッチのディレクションを担うからこそ、撮影現場の空気感を一切逃さずに合成へとつなげることができるのです。



レタッチはクオリティを底上げする「最後の一筆」

撮影された各素材を合成し、最終的に「絵画調」へと仕上げていくレタッチ工程。これは単なる修正ではなく、キャンバスに絵筆を走らせるような作業です。
光の当たり方、空気の粒子感、そして筆致のようなテクスチャ…。実写のリアリティと絵画の幻想性を融合させることで、ワンカットの撮影では決して到達できない、ブランドの哲学を体現する一枚の「絵」へと昇華させました。

最高のビジュアルに妥協はいらない

特にブランドを象徴するキービジュアルにおいて、一枚の絵が持つ「訴求力」は計り知れません。現代のクリエイティブ現場において、レタッチや合成は単なる補正手段ではなく、理想のクオリティを追求するための必須工程です。
素材を最高の状態に引き上げ、ブランドの世界観を1%の妥協もなく完成させる。その執着こそが、見る人の心を揺さぶるビジュアルを生み出す原動力なのです。

完成したブランドビジュアル ローンチ時のブランドの世界観を確立させました

その一枚のビジュアルに、ブランドの「命」は宿っていますか?
理想を形にするための課題、ぜひドットゼロへお聞かせください。



「Resurrection」 制作の舞台裏と実績詳細

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Art Direction : Masaki Takai
Design : Masami Sasaki
Photography & Retouching : Jiro Miyamura (Portfolio Inc.)

WRITTEN BY Masaki Takai

ドットゼロ 代表。BEAMSを経て同社を設立。資生堂や星野リゾート、ゴディバ等、数多くのグローバルブランドのブランディングやデザインを請け負うトータルデザインカンパニーを率いる。時代に流されない「人の琴線に触れるクリエイティブ」を追求。本質を突く思考と視座で、企業の良き未来を半歩先からエスコートする。 高井雅己の思考と視座