BRANDING
なぜデザインがバラバラになるのか? ブランディングを成功させる一気通貫の制作体制とは
May 9, 2026
本記事では、複数媒体の制作でデザインがブレてしまう原因を紐解き、ブランディングを核とした「一気通貫」の制作体制がもたらすメリットについて解説します。
デザインするうえで重要な要素のひとつに「ブランディング」が挙げられます。ブランディングとは、読んで字のごとく企業やサービスが持つ「ブランド」を形作るためのさまざまな活動のことです。その目的のひとつには、ターゲットユーザー層に対して企業の価値やイメージを高く認知してもらうことがあります。
そして、企業やサービス、ブランドが複数のクリテイティブを展開する際に、ブランディングを確立していないとデザインが乱雑になるケースがあります。この場合、正しくユーザーに認知してもらうことができず、さまざまな機会損失につながる可能性があります。本記事では、デザイン・クリエイティブにおいてのブランディングの重要性について説明します。
デザイン制作におけるブランディングの意義
企業やブランドにとって、会社案内やパンフレット、コーポレートサイト、ブランドサイトなどは必須コンテンツです。ただし、各コンテンツが共通性を持たずに制作されているケースが多く、ユーザーが困惑するきっかけになります。そこで、コンセプトやフィロソフィーに沿ったブランディングの傘下にデザインや制作物を置くことで、すべての媒体でブランドの持つ世界観を共有することができます。
ブランディングの一環としてデザインや制作に取り組む際には、ブランドが出来上がる際に作られたブランドガイドラインに沿ったトンマナ(トーン&マナー)の熟知や掌握が重要です。それは紙媒体やWebに限らず、ロゴやタグライン、動画、SNSなどでも同様のことが言えます。ブランディングに沿ったデザイン制作を行うことで、的確なターゲット層を捉え、結果的にユーザーに対しても利益をもたらすことができます。
企業が持つ世界観や個性を会社案内やコーポレートサイトに落とし込むことで、ユーザーに対しブランドイメージをより強固に訴求することができるのです。
紙とWebでデザインがズレるリスクと一元管理のメリット
紙媒体とWebは、他の制作物に比べて制作する頻度が高いクリエイティブでもあります。そのためデザインが共通することも多く、画像素材やフォントの選定などすべてのグラフィック要素を共有することが多いです。そして、紙媒体とWebの制作が別々に行われてしまうと、本来沿わなければならないトンマナから微妙にズレることがあります。
そうなってしまうと、ブランドのイメージ統一において調整が必要になり、工数が増えて制作に時間もかかってしまうため注意が必要です。そういった観点から、紙媒体とWebを横断して請け負う制作会社に依頼するメリットは大きいと言えます。
「〇〇といえば△△」という印象をユーザーに潜在意識下に持ってもらうこともブランディングを行う目的のひとつです。それは商品やサービスに限ったことではなく、デザインでも同じことが言えます。色合い、風合い、世界観など表現方法は多種多様ですが、「このデザインの雰囲気は△△」というイメージを持ってもらえるのも、ブランディングの恩恵です。そして、そのデザインを各媒体に落とし込んでいくことで、受け手のブランドに対する印象は明確に形成され、よりブランドの認知度の向上につなげることができます。
これらのことを踏まえると、紙媒体とWebの連携は制作面においてメリットがある以上に、ブランディングを推し進める上で必須だと言えます。幅広い媒体からユーザーにアプローチすることは、企業が得られるブランディングの効果と言えるでしょう。
ここで参考事例をご紹介します。

こちらは、化粧品ブランドのTIENS JAPANの商品「APROTIE Hair & Body care Zero SERIES」のパンフレットとランディングページの制作事例です。撮影やスタイリングから請け負い、キービジュアルも作成。デザインを統一させることはもとより、撮影の段階から最終的なランディングページの着地までを見据えることで、媒体を跨いでも一切の濁りがない世界観を具現化しました。
「APROTIE Hair & Body care Zero SERIES」 制作の舞台裏と実績詳細

こちらは、演劇や映画などの企画・制作会社である「S-SIZE」の会社案内とコーポレートサイトの制作事例です。イラストという繊細な世界観も、一気通貫の管理下であれば、紙の手触りとWebの動的な表現の双方で「らしさ」を損なうことなく共存させることができます。
デザイン制作を一気通貫で行うことの重要性
ひとくちに「デザイナー」と言っても、Web制作専門や紙媒体専門などの分野で分かれていることがあります。それぞれ専門のデザイナーが持つ個性も異なっているため、同じ素材を使用する場合でもアウトプットされたデザインが統一されているとは限りません。これがひとつの案件で起こると、デザインの統一感がなくなる原因となる場合があります。
そこで重要になるのは、クリエイティブディレクターやアートディレクター、デザイナーの各々が企業やブランドについて熟知し、方向性を合わせたうえですべての制作に取り掛かることです。緻密なブランディングを行ったとしても、それを共有できていなければ意味がありません。これは、クリエイティブディレクターやアートディレクターといったディレクションやマネジメントを行う人間は特に気を付けなければならないポイントです。
また、関わるメンバーが増えるほど情報共有に時間を要してしまうだけでなくアウトプットがブレる可能性が高まります。コンパクトなチームほどクライアントと一丸となり良い結果を生み出すことが多いです。
デザイナーやクリエイティブチームに限らず、企業単位でも同様のことが言えます。スケジュールや制作コストの関係で、複数の制作を複数の制作会社に依頼するケースがあります。それによって、安価な制作会社への依頼でコストを抑えられたり、制作期間が早まるのも事実です。
しかし、結果としてブランドの理解度に差が生じ、制作物やデザインにおける共通性の欠如にもつながります。制作コストやスケジュールが重要なのはもちろんですが、その結果として生まれるデメリットも理解したうえでの制作会社選定が必要です。
クリエイティブ×ブランディングの今後
既述の通り、販促物やWeb、動画など個々のクリエイティブの質も大切ですが、それらの媒体を横断した統一感のあるブレのないクリエイティブが重要です。正しいブランディングは業界内でのブランドを確立し、あらゆるメディアで発信力が高まります。まずはその企業やブランドのクリエイティブを俯瞰して整理してみましょう。それがブランディングへの第一歩となります。
そして、AIが台頭してくるクリエイティブ業界において、今後は「ブランドらしさ」という人間だからこそ醸し出せる表現が求められます。AIが容易にさまざまなクリエイティブを制作できるからこそ、「人が作る意味」を求めなければなりません。感情に訴えるという感覚は、人間の感性が必要なところであり、AIが生成するものとの差別化につながっていくと考えています。重要なことはAIと競合するのではなく、AIとの共存です。人が苦手とする部分や、制作物のベースをAIが作り、そこに人間にしかできない1%の味付けをすることが重要となります。
あなたの会社のクリエイティブはバラバラになっていませんか?
まずは診断から行いますので、ドットゼロへお気軽にご相談ください。
ドットゼロが描く「ブランディング」の価値とクリエイティブ
ドットゼロへのお問い合わせはこちら
【APROTIE Hair & Body care Zero SERIES】
Art Direction & Design : Shoko Kawano
Photography : Hayato Wada
【S-SIZE】
Creative Direction : Masaki Takai
Art Direction & Design : Haruka Amano
Illustration : DOISENA
Photography : Hayato Wada
WRITTEN BY Masaki Takai
ドットゼロ 代表。BEAMSを経て同社を設立。資生堂や星野リゾート、ゴディバ等、数多くのグローバルブランドのブランディングやデザインを請け負うトータルデザインカンパニーを率いる。時代に流されない「人の琴線に触れるクリエイティブ」を追求。本質を突く思考と視座で、企業の良き未来を半歩先からエスコートする。 高井雅己の思考と視座